【医師が解説】インフルエンザ予防接種は本当に必要?医師が教える効果と家庭でのメリット

こんにちは,Dr.ゆきくんです.

今回は流行し始めているインフルエンザについて.

インフルエンザの流行が始まる季節になると,毎年話題に上がるのが

「インフルエンザ予防接種は本当に効果があるの?」

という疑問です.

特に小さなお子さんがいる家庭では,

保育園・幼稚園・学校での集団感染が気になるため,

ワクチンの効果や接種の必要性について不安に感じる方も多いと思います.

特に子育て家庭では子どもが感染すると家族全員に広がり,

数日〜1週間以上生活が大きく乱れてしまうことも少なくありません.

医師として日々診療していると,護者の方から

  • 「ワクチンは型が合わないと意味がないの?」
  • 「結局,打つメリットって何?」
  • “毎年打つ必要ってあるの?”

そんな質問を本当に多く受けます.

結論として,インフルエンザ予防接種には 

「発症を防ぐ効果」だけでなく「重症化を防ぐ効果」 があり,

型が完全に一致しない年でも一定の効果が認められています.

さらに,家庭内感染を減らすという点でも科学的なメリットがあります.

この記事では,医師の立場から 

インフルエンザ予防接種の効果・メリット・型の関係・毎年打つ理由 

をわかりやすく解説します.

子どもの健康を守りたいパパ・ママ向けに、最新の情報を整理しました.

1. インフルエンザ予防接種の仕組みを簡単に解説

インフルエンザは毎年流行する「季節性インフルエンザ」と呼ばれるタイプで,

ウイルスは毎年少しずつ形を変えて現れます(=変異).

そのため,ワクチンも毎年“今年流行しそうな型”を予測して作られています.

日本で使用されるワクチンは 4価ワクチン といって,

A型2種類,B型2種類の計4つの型に対応しています.

ワクチンを打つと,私たちの体はウイルスに対抗するための「抗体」を作ります.

この抗体があることで,

  • 感染する確率が下がる(=発症予防)
  • 感染しても重症化しにくくなる(=重症化予防)

という効果が得られます.

特に 0〜12歳の子ども は免疫が成熟しておらず,

インフルエンザにかかると高熱が続き,脱水や痙攣,まれに脳症になることがあります.
そのため,ワクチンで事前に“戦う準備”をしておくことは非常に意味があります.

2. ワクチンの「型が合う・合わない」とは?合わないと意味がないの?

テレビやネットで「今年のワクチンは型が外れた」

という表現を見ることがあります.


これは「流行したウイルスが予測と少し違っていた」という意味ですが,これを見て

「型が合わなかったら、打つ意味ないんじゃ…?」

と不安になる家庭はとても多いです.

しかし,ここが大事なポイントです.

型が合わなくても “重症化を防ぐ効果は確実に残る”

インフルエンザウイルスは毎年姿を変えますが,

全く別物になるわけではありません.


“中心となる部分(コア)” は共通しているため,

ワクチンで作られた免疫が新しいウイルスにも部分的に働きます.

これを 交差免疫(こうさいめんえき) と言います.

つまり,

  • 型が合う年 → 発症予防効果が高い
  • 型が少し違う年 → 重症化予防効果が中心になる

というイメージです.

診療していても実際に,

  • 「ワクチンを打っていた子は回復が早い」
  • 「合併症が少ない」
  • 「家族全員が倒れるケースが少ない」

という印象が明確にあります.

3. 過去のワクチン接種は無駄にならない理由

これもよくある質問ですが,

「去年のワクチンはもう意味ない?」

という不安について.

医師の立場からはっきり言うと,

過去の接種は決して無駄になりません

理由は2つあります.

① “免疫記憶” が体に残る

ワクチンを積み重ねて接種していくと,

体の中に「インフルエンザを覚えている細胞(メモリー細胞)」が増えます.

これは,将来少し形が変わったウイルスが来ても,

素早く反応してくれる土台になります.

② 似たウイルスに反応する“交差免疫”が働く

過去のワクチン接種によって獲得した免疫は,

完全一致でなくても,ある程度ウイルスを抑える力を持ちます.

つまり,毎年の接種は

「積み重ねることで防御力が上がっていく」

という性質があります.

これは特に子どもにとって非常に重要です.

4. 子育て家庭にとっての具体的メリット

インフルエンザ予防接種は,単に「病気を防ぐ」という以上に,

家庭にとって非常に大きなメリットがあります.

① 子どもが重症化しにくくなる

インフルエンザは子どもにとって“大人とは別の病気”と言っていいほど,

症状が強く出ることがあります.

高熱,食欲不振,脱水,痙攣,入院….

これらはワクチンで大きくリスクを減らすことができます.

② 家庭内感染が起きにくくなる

保育園や学校で感染した子どもが,家庭で両親にうつし,

家庭全滅になるケースは非常に多いです.

ワクチンには「周りに広げにくくする効果」もあるため,これを大きく減らせます.

③ パパ・ママの仕事の調整が劇的に減る

子どもがインフルエンザにかかると,少なくとも数日は看病が必要です.

保育園も登園できません.

家庭全体を守るという意味で,ワクチンは“時間と生活の余裕”を買う行為でもあります.

④ 妊婦さんや新生児を守る感染対策としても有効

妊娠中は重症化しやすく,ワクチンはむしろ推奨されています.

また,妊婦さんが接種すると免疫が胎児に移行し,

生後数ヶ月の赤ちゃんを守ることにつながります.

5. インフルエンザ予防接種はなぜ“毎年”必要なのか

これもよく聞かれる疑問です.

理由は大きく2つ.

① ウイルスが毎年変異するから

去年の型に合わせたワクチンでは,

今年のウイルスには十分対応できない可能性があります.

そのため,毎年最新情報に合わせた

“アップデート版”のワクチンが必要になります.

② 体の中の抗体は時間とともに減るから

ワクチンの免疫のピークは 接種して2〜3ヶ月後

そこからゆっくり下がってくるため,秋〜冬に接種するのが最も効果的です.

6. 副反応が心配?安全性についての考え方

副反応について不安を感じる保護者の方はとても多いですが,

インフルエンザワクチンは長い歴史があり,安全性が確立されています.

代表的な副反応は,

  • 注射部位の腫れ・痛み
  • 微熱
  • 倦怠感

などですが,いずれも数日以内に改善する軽度のものがほとんどです.

一方で,

インフルエンザにかかった場合のリスク(高熱・脳症・脱水・家族全員のダウン)

の方が圧倒的に大きいというのが医療現場の実感です.

7. 結論:インフルエンザ予防接種は“家庭全体を守る最大の備え”

最後に,家庭向けに最も大切なポイントをまとめます.

  • ワクチンは発症予防だけでなく,重症化をしっかり防ぐ
  • 型が合わなくても効果がある
  • 毎年の接種は積み重ねで免疫が強くなる
  • 子どもは特に重症化しやすい
  • 家庭内感染を大きく減らせる
  • 妊婦さんや乳児にもメリットがある

インフルエンザ予防接種は,

子どもと家庭を守るために,非常に効果的で安全な医療行為です.

「インフルエンザで家族全滅」という事態を防ぐひとつの強力な武器として,

予防接種をぜひ活用してください.

今年もあと少しです.

体調にはくれぐれも気をつけてお過ごしください.

Dr.ゆきくん


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